―なおくん先生、よく自己啓発書に「感謝しましょう」って言葉が出てきます。これってすごく当たり前のことだし、なんか説教臭いなぁって思ってしまいます。
「うんうん、よくわかるよ。
感謝しましょう・・・なんて、誰でも言っていることだし。
ぼくらはそんなことわかっているんだ」
―ですよね。でも、大事なことだってことはわかるんです。
「どうして、この【感謝しましょう】というお話が説得力がないのか考えてみよう」
―はい、お願いします。
「先に結論を言うね。
「感謝しましょう」というお話に説得力がない理由
1.なぜ感謝することが良いのかという理由が不明確である
2.【感謝する】という行為が曖昧である
この2つの理由に集約されると思っている」
―おおっ!!!そんなにシンプルだったんですね。
「それぞれの理由について解説していこう」
―お願いします。
「まず、ひとつめ。
なぜ感謝することが良いのかの理由が説明されていないということ。
感謝することによって、具体的にどんな良いことがあるのか。
なぜ、あなたに感謝することを勧めるのか。
このあたりの理由が明確になっていないので、
言われた方は行動に移せない」
―なるほど。確かにそうです。
「そして2つ目の理由。
【感謝する】という行為が曖昧である」
―感謝するという行為が曖昧??
「感謝してますか?って言われたらどう思う?」
―えっと・・・わかりません。感謝してると思うし、いや・・・そうじゃないかな。
「じゃあ、質問を変えましょう。
1日3つ、感謝することをノートに書き出すことを、昨日行いましたか?」
―はい、昨日は1日3つの感謝をノートに書き出しました。ほら、これ。
「こういうことです。
【感謝する】というのは非常に抽象的で曖昧な概念なんです。
なので、あえて具体的な行動レベルにまで落としこんで定義するのです」
―なるほど、それが【感謝ノートを書く】ということなのですね。
「そう、感謝しましょう、だと不明確なので、
あえて【感謝する】=【感謝ノートを書く】と定義している」
―さらに、感謝ノートを書く、というのも不明確なので
「そう、感謝することを1日に3つ書く、と定義する」
―ああ、こうすれば、感謝する、ということも明確になりますね。
「そういうことです。」
―今日も素敵なお話をありがとうございます。
「こちらこそ、ありがとう。」