感謝とは【ある】に気づくこと
―感謝ノートを書き続けて5年になりますが、どのような変化がありましたか?
「そうですね。幸福度と世界への解像度が上がったような気がします」
―幸福度と、世界への・・・解像度?
「ええ。幸福度は、まぁ読んで字のごとく。幸せな気分が安定して保てるようになったということです。」
―はい。素敵なことです。
「そして、世界への解像度が上がったということについてですが。世の中のありとあらゆるものが”ある”ということに気づかせてもらえるようになりました」
―あることに気づく。
「そうですね。それは、まさに【ありがとう】という言葉の由来にも通じるものです。ありがとうは、漢字では『有難う』と書きますね。つまり「有る」ことが「難しい」ということ。本来は有り得ないような奇跡的な出来事やモノにたいする畏敬の念なのです。」
―ああ、そうだったんですね。ありがとう。深い言葉です。
「うん。それで、感謝すればするほどに、普段どれだけいろいろなものが見えていなかったかに気付かされるんです。逆に、感謝することで、様々なことが【見える】ようになってくるんです」
―へぇ。具体的にはどのようなものが【見えて】きたのでしょうか?
「たとえば、昨日気づいたことだと【街灯】がありますね」
―街灯って・・あの、道路とかに並んでる明かりの?
「そうです。夜ね、街を歩いていたら、街灯が照らしてくれていることに改めて気づいたんですよ。それで【街灯さん、ありがとう】と心の中で言ってみたんです」
―街灯に、ありがとう??笑
「言ってみるんですよ。とりあえず。笑」
―それで?
「そうすると、街灯のおかげで夜道も明るく安全に歩けているんだなぁって気づいたんですよね。だって、街灯がなかったら真っ暗闇の道を歩かなきゃならないじゃないですか」
―ああ、そうですね。あるのが当たり前すぎて、街灯なんて、日常の生活で考えることなんてほとんどないですね。
「そうでしょ? 【ある】はずのものが【なく】なっちゃってるんですよ」
―わぁー
「そういうものをたくさん発見していくことで、ある、ということにたくさん気づく。これが【豊かさ】であり、幸せだと思うんです。」
―なるほど。それで、たくさんの【ある】に気づけることで、より世の中(世界)を細かく見れるようになるということなんですね。
「そう。解像度が上がっていくような感じなんです。同じ世界のはずなのに、とっても繊細で美しく見えるようになるんですよ」
―今日も素敵なお話をありがとうございました。