足元を見られがちな正社員

「さよならブラック企業*1」という漫画が面白かった。弁護士の事務員をしている女の子が主人公の漫画。ブラック企業でしんどい思いをしている依頼人(クライアント)が、退職代行をしてもらうために、主人公が勤める弁護士事務所に訪れるという物語。さまざまなブラック企業の実態が明らかになっていく・・・という。いいね。これは、カバチタレとかそういう系統の漫画ですね。法律家の元に、いろんな事情を抱えた人がやってくるというタイプの漫画。今どきっぽくて面白い。そんでさ、ぼくもこの本を読んでいたら、サラリーマン時代のことを思い出したので書いてみようと思った。題して「足元を見られがちな正社員」です。あのね、このご時世、というか数年前くらいは、わりと「正社員」って憧れのポジションだったんですよね。まだ終身雇用制度が、ギリ保たれていた時代は。そして、多くが非正規雇用の中で、正社員というポジションは割とレアだし。そんで、ぼくも正社員になったのですよ。非正規雇用から始めて、実力でのし上がって正社員の座をゲットしたのです。そうしたら、なにが起こったか?? 激しいプレッシャーの嵐ですよ。まぁまぁひどい。あのね、正社員のなにがきついって? 「こいつは何をしても辞めないだろう」って思われることなんすよ。これが派遣とか契約社員とかなら「もしかしたら辞められるかも??」っていうのがあるんで、ある程度弱いプレッシャーで済むんです。でもね、正社員ってのは、「ここ辞めてどうすんの?」「もう正社員になれないんじゃない?」みたいな無言の圧力みたいのが、相当ある。だから、上司の言うことにも逆らえない。周りはみんなそんな人ばっかりだった。出世とか、ボーナスの査定に響くからって、みんな様子見ばっかしてる。クソみてぇな社会だったよ。なんか、そんなプレッシャーに負けて我慢するのって、馬鹿らしいなぁって思っていたよ。そんでさ、マイホームなんか持ったら、たぶん、もっとそういうプレッシャーが強くなるんじゃないかなって思った。もうね、会社のいい「鴨」ですよね。マイホームのローンあるんでしょ? ここ辞めたら家手放さないといけないよね? みたいな。それに、マイホームを持った途端に転勤をさせるという、ほんとうにしょうもない会社もあるって聞いたことがある。なんでかというと、マイホームを持ってしまった以上、ローンの支払いがあるから会社を辞められない。そういう「弱み」を持っているから、理不尽な転勤をさせても逆らってこないだろう、辞めないだろうって計算なわけ。ほんと、しょうもないよね。だから、正社員っていうのは、わりとコスパよくないって思う。とくに今の時代は。ぼくは、そんなことを当時思っていたんだよね。